視線の先にあるもの

――――願わくば 伍長と 呼んで頂けますように

彼女がペンを机の上に置くとそれはカラカラと転がり、やがて止まった。
フランシアはそっと立ち上がり、壁に飾られたスターチスのドライフラワーで飾ったリースを手に取った。
香りなどすでに消えてしまっている。
ただ色鮮やかに、それは存在感を放っていた。
言葉の意味に、自分の想いに…あの人は気付いてくれるだろうか?
この意味を探して、くれるだろうか?
それとも・・・・・・そこでフランシアは目を閉じた。
冷淡な諜報員を演じ続ける、不器用な男の顔が見えたような気がする。
譬え、遠く離れた場所に在ったとしても何処かで繋がっていられたなら。
その繋がりに気付いてもらえたなら。
「ヴィッター少尉」
彼女は無邪気な悪戯っ子のような笑みを浮かべた。
「きっと、待ってますから」
フランシア伍長はそっと何処か遠くを見上げた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

薄暗い部屋、一人男が何かを手に取り見つめ詰めている。
あのリースである。
スターチスの花。
ただ色鮮やかに、彼女との思い出のように。
「フランシア伍長」
昔男が関係を迫った時、彼女はそれを拒んだ。
それを長らく拒絶されたと、思っていたのに。
「届いていたんだな」
キミに、私は。
こんなにもキミはすぐ傍らにいたのに、気付かなかった。
辿り着けるだろうか、キミと道の向こうまで。
リースの向こう側に彼女が見える、そんな気がした。


へたれ文章orz
8巻9巻並べると、少尉と伍長が見詰め合う形になるとネット上のブログで見たのですよ。
つまり視線の先にあるものは、互いの顔です。
ヴィタフラ、ハマったのです。
また上官と部下CPなのです。
しかもフランシア伍長は・・・・・・
暖かなお話が書けたら良いなぁと思いつつ頑張りたいと思います。
今度は、意味不文章にならぬよう頑張りたいです・・・・・・はい。

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