正直な気持ち

「ハール」
アイクが声をかけると、昼寝をしていた男は目を開けることなく、応えた。
「なんだ」
「ハール、あんたあの時、もし本当にジルがあんたと戦う気だったら応戦したのか?」
一瞬、隻眼の目がジロリとアイクを見る。
その時破竹の勢いでデイン軍を追い詰めた皇帝軍。
ちょうど二人の竜騎士が言葉を交わした際、その下には進軍していたからその時に聞こえたのだろう・・・が。
「・・・将軍ってのは、そんなに暇なのか?」
言外の意味も含められた言葉に顔色一つ変えず、いや、とアイクは台詞を返した。
「ただ、ずっと気になっていてな」
ハールはその言葉を図りかねる。
「『恩師の娘』」
あの時、この男は言ったのだ。
ジルはただの恩師の娘である、と。
「その時はそういうものかと思った。
だが」
戦場ではあんなにも無慈悲に敵の命を奪った男。
「あの時あんたの斧からは、殺気を全く感じなかった」
「・・・・・・そんなことをわざわざ言うために話しかけたのか」
再び武器の手入れのために視線を戻して男は、さもどうでも良いことのように言う。
「いやそういう訳じゃないんだが・・・さっき、あんたをジルが探してたぞ。
用はそれだけだ、後で集合がかかったらすぐに来てくれ」
そして、アイクが背を向け他の者たちがいる方へと、入れ替わって赤いポニーテールの件の彼女がこちらへ向かってくる。
「ハールさん!
こんな所にいたんですか。
探したんですよ!?
もう・・・ところで、アイク将軍と何を話してたんですか?」
「世間話だ」
即答する男に意外にそうジルが声を上げる。
「でも3年前にはほんとんど会話していませんでしたよね、二人とも」
彼女の記憶にある限りでは、アイクに限らずハールは自分以外の殆どの人間と関係を結んでいなかったはずだった。
「迷惑なことにこの3年の間にできちまったんだ。
・・・・・・共通の話題がな」
首をかしぐジルに、男は黙って彼女の手を引きその体を抱き寄せる。
「きゃ・・・ちょっ、何するんですか」
「いや、ちょっとばかし自分に正直に行動しようと思ってな」
もう彼女に対して開き直るべきだろうか。
再び彼は目を閉じた。

え?戦場にがゆっくり会話に聞き耳を立てる暇があるのかって?
・・・・・・気にしない方向でよろしくお願いいたします。
何気にジルが最後抱き枕になってるのはなんなんでしょうw
なんか意味不な文章ではありますが・・・すみません;

ああハールさん寝てたのに武器の手入れしてたことになってる……………

inserted by FC2 system