子の想い母の願い

デイン軍の陣営では、ちょっとした騒ぎが起こっていた。
「さっき、部屋で元老院がどうとか血がなんたらとか王達4人が
こそこそ言ってたんだよなぁ。
それでこの騒ぎだろ?
王や巫女様は何を俺たちに隠しているんだろうな?」
兵士達の間でそんなことが話されている。
不信に陥る者、不安に駆られる者、それでも巫女を信じる者・・・・・・
ミカヤに詰め寄り誓約にちて知っていたジルや暁の団の皆もその中にいた。
「(何かあったのかな・・・・・・)」
王は、誓約の抜け道を探していたという・・・・・・
それで何か問題が起こったのだろうか?
「ペレアス!!ペレアスは大丈夫なの?!」
「お、落ち着いて下さい!アムリタ様」
部屋に飛び込もうとするアムリタを兵士達が止める。
「ペレアス王に・・・・・・お怪我は、ありません!だから・・・・・・!!」
その言葉にやっとアムリタも落ち着き、リライブの杖を持ったローラが
ペレアス達がいる部屋から出て来て
それでやっとアムリタは部屋に入って行った。
「あの女の細腕で10人も野郎が止めに入らなきゃいけないなんてな。
? 火事場のクソ力って奴か?」
「ローラ、一体何があったんだ?
? タウロニオ将軍凄い血相変えてお前呼びに来たじゃないか」
「・・・・・・果物を剥いていて、ペレアス王がナイフをわたしそこねてミカヤさんが少し切っちゃったみたいで、
サザさんがタウロニオ将軍にちょっとオーバーに言っちゃっただけみたいですよ。
? サザさん、ちょっと過保護ですから」
ローラが周りの兵士に聞こえるように言うとそうか、そうだよな
巫女様が俺達に何も言わない訳ないよな、と
ざわざわ言いながら皆去って行った。
残ったのは見知った顔だけである。
「・・・・・・で?本当の所は?」
「・・・・・・何を・・・・・・」
ローラは、寂しそうに言う。
「何を、あの人達は・・・・・・私達に隠しているのですか?
? 女神様────」

「ペレアス!」
その声と共にアムリタが部屋に飛び込んで来た。
ミカヤを中心にペレアス、サザ、タウロニオがいる。
「母上、一体どうし・・・・・・」
「死のうとしたんでしょう?!」
その言葉にペレアスがびくりと反応する。
「したのね?!!
? このっ・・・・・・!!!」
アムリタが手を上げる。
ペレアスはとっさに目をつむるが、何の衝撃も来ない。
恐る恐るそっとペレアスが窺うと、アムリタは手を振り上げた形のまま泣いていた。
涙が溢れて、溢れて肩も震わせてついに泣き崩れてしまう。
「ペレアス・・・・・・ペレアス・・・・・・!
生きて、て良かっ・・・・・・」
外面も何も捨ててアムリタはひたすら泣いていた。
そんな母を、ペレアスは知らない。
それだけ自分は愛されていたのだという事実がありながら、自分は死のうとしたのか。
「・・・・・・っ、ごめん・・・・・・なさい。
? 母上、ごめっ・・・・・・・・・・・・」
ペレアスもアムリタを抱きしめるようにして共に泣いた。
この人を置いて、僕は逃げたりしない。
そう強く思いながら。
この親子好きなんです。
ぺ様には王様続投して欲しかった。
数行ですが加筆修正しました。

↓にヒドいおまけがあります。

















おまけ
子の死線母の願い
「死のうとしたのね!!このっ・・・・・・!!!」
アムリタが手を上げ、振り下ろす!
ペレアスは歯をくいしばろうとしたが間に合わなかった・・・・・・
「ヘゲェ!!」
「ペー君・・・・・・痛いでしょ?死んだらこの痛みさえも無いのよ?!」
「アムリタ様・・・・・・ペレアス王、白目剥いてます・・・・・・・・・・・・」

殴られVer

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