オリジナル

自我を持たぬ人の体に獣の魂。
体は、己の、自分自身の魂を求めていた。

魂欲しい。
バリー・ザ・チョッパーなりたい。

ただ一人のオリジナルなりたい。

暗闇の中、鉄の檻に閉じ込められた体。
立ちはだかるは、黒光りする鉄格子。

出せ!出せ!!出せ!!!
オリジナルになるんだ!
ただ一人のオリジナルに!!

体は、叫ぶ。
バリー・ザ・チョッパーになりたいと。

魂が、叫ぶ。
自分はただ一人だと。

その願いが一つになる時
一体・・・何が生まれるのか――――?
そして―――・・・

(・・・おまっ・・・オレを誰だと思ってんだ!!)
おれはなるんだ。
(バリー・ザ・チョッパーだぞ!!
中央を恐怖に陥れたこのバリー様が・・・)
ただ一人の・・・
(まだ殺して殺して殺してまてまてまてまてまて・・・)
ただ一人の・・・
「ま゛っ・・・」

ただ一人のオリジナルバリー・ザ・チョッパーに…

おれは、一人だ!
おれは、他の誰でもない!!
おれは、誰の影でもない!!!
闇に隠れて陰になる必要は、ないんだ!

何も…見えない。
また、闇の世界か……
けれど感じる。
目から水が出てい……泣いているんだ――――…

おれは、なぜ泣いているんだ?


多分このサイトに置いてあるなかで一番古い文章。
昔、中学の親友に「お前バリーに似てる」と言われたことあります。何故だ。

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